クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
真穂は知ってたんだ。
私は何も言わなかったのに。
いつも元気になるように励ましてくれていたのは、色んなことをわかってくれてたからなんだね……


振り返れば、いつだって明るい家族に救われていた。みんながいたから、私は……どんな時も折れずに前に進めていたんだ。


「うん……そうだね。でも、まだちょっと怖いよ。恋愛って……よくわからないから。どんな風にすればいいのかな」


『う~ん、恋愛は考えてするもんじゃないし、焦る必要はないから、ゆっくり桐生さんを知って、お互いの愛を深めていけばいいと思う。そして、いつか『桐生 詩穂』になれたら最高だよ。家族みんなで応援するから頑張って。それに、お姉ちゃんは、彼氏がいなかったおかげで桐生さんと結婚できるんだしね、色々前向きに考えようよ』


「……ありがとう、うん、そうだね。真穂、本当にありがとう」


『いいの、いいの。その代わり、これから先の展開、きっちり隅から隅まで教えてよ。楽しみにしてるから』
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