クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「当人と結婚式の招待客は1日中、並ばずにアトラクションに乗れたり、食事をしてもらいたいと考えています。そのお試しというかテストケースにさせていただきたいので……それを考慮して今回のお値段を考えさせてもらってます」


「は、はい! お、おいくらでしょうか?」


ガチガチに固まっている将太君に、拓弥さんが耳打ちした。


「そ、そ、そんな格安で! あの『ハピプレ』を貸していただくのに!?」


金額を聞き、とんでもなく驚いている将太君を見て、家族は爆笑している。
拓弥さんは、私にも教えてくれないけれど、将太君への最大の配慮をしてくれたに違いない。


「ええ、構いません。テストケースと言えども、将太さんご家族にとっては生涯1度きりの大切な結婚式です。もちろん私達にとっても。ですから、楽しく感動できるような最高の式を、最後まで精一杯私どものブライダルスタッフと企画してまいります」


拓弥さんは、ニコッと微笑んだ。
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