クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「お願い。『ハピプレ』の未来のために、広崎君の力を貸してほしい。そして、もちろん、瑠香ちゃんも」


「えっ……瑠香ちゃん?」


初めて佐和田さんを「瑠香」と名前で呼んだ。
何だか瑠香ちゃんを少しだけ近くに感じることができた。


「どんな事があっても、人のせいにしてばかりじゃいけない。詩穂ちゃんがどうとかじゃないの。あなたは、あなた自身の力で人生を切り開いていくしかないのよ」


「……」


「拓弥のこと、別にそこまで好きじゃないんでしょ? きっと、詩穂ちゃんが羨ましかっただけ。そんなつまらない恋愛なんかしてる場合じゃないわ。あなたも、『ハピプレ』のために頑張っていく使命があるの。ここからは自分のためにちゃんと前に進むべきよ。そうやって頑張ってたら、いつか必ず本当の運命の相手が現われるから」


「でも……進む……ってどうやって? 私にはどうすればいいのかわからない……」
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