クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「……私、できますか？」


「瑠香ちゃん。あなた、子どもの頃からずっと見てきたんでしょ？ 『ハピプレ』が大好きなあなたなら、必ずできるわ」


「……」


「瑠香さん、やりましょう」


「瑠香ちゃん」


「……わ、わかりました……」


不安な表情、まだ悩んでいるのがわかる。
だけど、バカな考えで凝り固まった瑠香ちゃんの態度が、ほんの少しでも変化してることがとても嬉しかった。


人のために働き、人に優しくすることで、人は人を大切にすることを学ぶ。今、それをしなければ、この先、瑠香ちゃんは何も変われない。きっと一生誰かを憎んで生きてしまう。


「決まりね。じゃあ、私から拓弥に話を通すわ」


「課長、大丈夫ですか？ OKしてくれますかね？｣


「広崎君、それは大丈夫に決まってるじゃない。学生時代からの恩があるからね。あの人は私の言うことは聞いてくれるはず。それに、『ハピプレ』と、大事な社員のためだもの」


｢城之内さん、ずっと落ち込んでた気持ちがやっと前に向きました。ダメですよね、グダグダしてちゃ」