クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

「拓弥、君は生涯詩穂を愛することを誓いますか？」


将太君の時のように、ニケは拓弥さんを覗き込んだ。


「はい、誓います」


私を幸せにすると誓ってくれた拓弥さんの言葉は、一度、この空間に解き放たれ、スーッと私の中に入ってきた。
その優しい声は、私の胸を無条件で熱くした。


「いいね！ 君は詩穂の王子様だね！ さあ、詩穂。君は、拓弥を生涯愛することを誓いますか？」


「は、はい……誓います」


私の言葉も、ちゃんと伝わっていたらいいな。
だって、私の全ての想いを乗せたから。


「とてもいいね！ 最高だよ！ 詩穂は可愛いお姫様だよ！ さあ、2人にも誓いのキスを……」


目の前にいるのは私のカッコ良過ぎる王子様。
「好きだ」、と声にならないセリフの後、拓弥さんは情熱的に私を見つめた。


そして――
甘くてとろけるような、世界で1番素敵なキスをくれた。


胸がキュンとするような感動的なキスに、私は「本当にこの人と結婚するんだ――」と、ようやく心から実感できた。