クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「すみません、遅くなりました!」


「航輔君と瑠香ちゃん! 2人とも来てくれたの!」


美しい赤のドレスに身を包んだ沙織さんが、両手を広げて歓迎した。
2人が来ることを知らなかった私は、一瞬緊張してしまったけれど、そのあとすぐに嬉しい気持ちが湧き上がった。


「沙織さん、今日は本当におめでとうございます。いやね、瑠香さんに声をかけていたら遅くなって。ねえ、瑠香さん」


「な、何よ。人のせいにしないでよね」


「瑠香さんが急に行かないとか言うからですよ。でも、やっぱりお世話になった沙織さんにはお祝いを言いたかったんですよね。だから、ちゃんとここに来たんですよね」


「……ま、まあね。さ、沙織さん、ご結婚おめでとうございます」


瑠香は、そう言って恥ずかしそうに照れ笑いした。


「2人とも~、嬉しいよ。来てくれて本当にありがとう」


みんな、気づけば普通に名前で呼び合っていた。
こういう感じ、とても素敵だと思う。
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