クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
思いがけないおすそ分け
瑠香が帰って一息ついた時、またインターフォンが鳴った。


 なぜか、心臓の音が急に騒がしくなった。
 まさか――


 変な期待はするもんじゃない。
 また瑠香かも知れないし、宅配便かも知れない。


「は、はい」


ほんの少しだけ、わざと無愛想に返事をした。


「すみません。隣の桐生です。両親から果物が送られてきて、良かったらもらってくれませんか? 1人では食べきれないので」


 まさかが起こり、ドアの向こうから聞こえる桐生さんの声に胸が高鳴った。


「あっ、ちょ、ちょっと待ってください」


すぐそこに桐生さんがいると思うだけで、どうしてこんなにもドキドキするのだろう。
私は、震える手で恐る恐るドアを開けた。


「あ……こ、こんばんは」


「こんな時間にすみません」


「あの、いや、えと、今日……会社で……」


「食事は終わりましたか?」


私の言葉を遮るように飛んでくる質問。


「え? いえ……まだですけど……」
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