クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
そんな沙織さんと、頑張り屋さんの亜里さんの人柄を表すように、今、レストランはたくさんの祝福の笑顔で溢れていた。
間違いなく2人は「幸せ」になれる――そう確信せずにはいられなかった。


「拓弥! 遅かったじゃない」


「沙織、悪い。今、例の会議が終わった」


「お疲れ様。大変だったわね。大丈夫よ、ちゃんとわかってる。駆け付けてくれてありがとう」


突然とても重要な会議が入って、結婚式に出れないかも知れないと残念がっていた拓弥さん。
大切な親友のお祝いに間に合って、本当に良かった。


拓弥さんは、私にも声をかけてくれ、そしてまた、沙織さんに話しかけた。


「本当に……おめでとう。沙織、良かったな」


沙織さんへのはなむけの言葉があまりにも優しくて、心をうたれる。


「……あ、ありがとう。拓弥と詩穂ちゃんに続けて良かったわ」
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