クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「それにしても航輔君。君は大人になったわね。この半年でずいぶん良い男になったわ」


沙織さんは、うなづきながら、今度は航輔君をじーっと見た。


「僕、良い男になれましたか?」


「ええ、とっても。あとは……あなたにも大切な人が見つかればいいわね。まあ、焦らずに。航輔君なら必ず素敵な人に出会えるはずだから」


私の口から言えることじゃないけれど、私も沙織さんの意見と同じだった。


「見つかればいいなと思ってます。自分の新たな夢も見つかったんで、全部叶えられるように頑張ります」


航輔君の夢――
きっと大きな夢なんだろう。
絶対に、叶うと信じたい。


それにしても、2人のこと、そして私のことも幸せへと導いてくれた沙織さんは、正真正銘のスーパーウーマンだ。
ううん、私達だけじゃない、拓弥さんも亜里さんも、長い間沙織さんに守られてきた。この人は、いったいどこまで頼りになるんだろうか。
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