クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「拓弥さん……」


「ん?」


「浴衣でここに来た時のこと覚えてますか?」


「ああ、もちろん」


「拓弥さんの浴衣姿、本当に素敵でした」


「俺より、詩穂の浴衣姿がすごく可愛かった」


「本当ですか? あの時、私、すごく緊張してたんですよ。拓弥さんを見たいのに恥ずかしくてちゃんと見れなくて」


「そうだったの? だったら……嬉しい」


「あの……。拓弥さんは、本当に私で良かったんですか?」


「えっ?」


「こんな風に手を繋いで歩いていても、みんなが拓弥さんを見ています。どこだって、いつだって、あなたは人気者で……。だから、一瞬、私で本当に良かったのかなって……」


「……ごめん。女性と話している時、詩穂がたまに心配そうな顔をするのを見たら、不安にさせていないか気になっていた。だけど、君はいつも笑顔でいてくれて……本当に感謝してるんだ。仕事で女性と話すことはあっても、俺が「女」として見ているのは詩穂だけだ」
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