クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

最初はとても不安だった。
その不安を払拭させたくて、一生懸命英語を勉強して、コミュニケーション能力を高める講座にも積極的に足を運んだ。
その甲斐あって、今、僕はアメリカのスタッフと肩を並べて発言できるまでになった。


沙織さんがくれたチャンスを活かし、桐生課長の口添えをもらって……有難いことに海外の「ハピプレ」で働くことができたことに、今は心から感謝している。


「航輔君、イキイキしてる。すごいね」


「瑠香さんは？ 彼氏と仲良くしてますか？」


「ズバリ聞くのね」


「彼は元気ですか？」


「……ええ。この秋、結婚することになった」


「ええ！！ す、すごいじゃないですか！」


「あ、ありがとう。航輔君は？ 彼女できた？」


「瑠香さんもズバリ聞くじゃないですか」


「お返しよ」


「あははっ。まあ、いいですけど。う～ん、残念ながら彼女は……いません」


「どうして？ 航輔君ならアメリカでも彼女できそうだと思うけど……」