クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「瑠香さん、僕は日本でも彼女いなかったんですからね。彼女を作るってなかなか難しいですね。でも、沙織さんや瑠香さんみたいに素敵な恋愛したいです」


たぶん、しばらくは無理だろう。
向こうで何人にも告白されてるけど、全く心に響かない。


まだ夢にも出てくるんだ、あの人が――


「まさか、まだ詩穂のこと?」


「えっ、あ、いや……」


「無理な恋愛しちゃダメだから。私、わかったし。拓弥さんを追いかけたことは無駄な努力だった。詩穂はもう拓弥さんの奥さんなんだし、諦めないと」


「……そうですよね。そうなんですよ、本当に」


「歯切れ悪いよ。とにかく航輔君に彼女ができたら報告して、待ってるから」


「う、うん」


「気持ちわかる、でも頑張って……君も幸せにならなきゃ」


瑠香さんは乗り越えた。
過去の自分とはサヨナラしたんだ。
彼と一緒なら幸せになれる、瑠香さん、本当に良かった。
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