クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
私の上司は超クールな御曹司
気持ちの良い朝なのに、誰かのせいで寝不足だ。
目覚ましに数回起こされ、残念ながら朝食を食べる時間はなくなっていた。


急いで準備をし、マンションの部屋を出る。
隣からは何の気配も感じない。
わけのわからない緊張と、安堵感。
きっと、桐生さんも会社に向かったんだろう。昨夜はスーツだったから、サラリーマンか何かだろうか……


そんなことを考えながら、歩いて13分の会社に向かう。都会なのに、こんな立地の良い場所にお手頃価格のマンションがあることに感謝しなければいけない。


「おはよう」


「おはようございます」


高層ビルの12階。
広くて綺麗な空間のオフィスに朝の爽やかな挨拶がこだまする。


「詩穂さん、おはようございます」


「おはよう。航輔君、今日もよろしくね」
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