クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「詩穂ちゃん、下駄、大丈夫? 無理しなくていいよ、ゆっくりでいいから」


「ありがとうございます。これ、キツくないので大丈夫です」


さり気ない気遣いがすごく嬉しい。こんな素敵な男性と、大好きな「ハピプレ」を一緒に歩けるなんて、さっきからドキドキが止まらない。


「あのアトラクション、やっぱりすごく並んでますね。今日は3時間待ちですね」


「ああ、あれは最近登場したから、土日は待ち時間がすごいらしいな」


「そうですよね。新しいアトラクションはどうしても待ち時間が発生しますから。待たずに乗ってもらいたいですけど、こればかりは有料の『ノーウエイトチケット』を買ってもらうしか……」


「楽しんでもらいたい気持ちしかないのに、色んなことが有料になるのが申し訳ないな……」
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