クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「新しいアトラクションやエリアの建設には莫大な費用がかかります。もし赤字になったら、魅力的なテーマパークにできなくなって、結局、お客様のためになりません。だから、お客様側もある程度の出費は仕方ないと、皆さんちゃんとわかって下さってます。私もそうですから」


「君は本当に『ハピプレ』のことを大事に思ってくれているんだな。詩穂ちゃんには感謝しないといけないな」


「感謝なんて……。ここは、私がずっと大好きな場所ですから。でも拓弥さん、お客様の考え方は色々だと思います。逆に、待ち時間をものすごく楽しみにして下さる人達もいますから。カップルなんかは特にそうで、2人だけの世界でたくさん話せて良いと思います。これから付き合う人達なんかは、『待ち時間』が距離を縮める『ドキドキの時間』になるんじゃないですかね」


もし拓弥さんとアトラクションに並べるなら、きっと何時間でも待てる。
だって、大好きな人と、すぐ隣でずっと一緒に笑っていられるんだから――
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