【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
「お待たせ」
「あ、ああ……」
憲士は曖昧に返事をする。
水をテーブルに置いた店員にコーヒーを注文すると、柚花は憲士に向き直る。
「それで、話って?」
柚花はなにを言われてもいいように、ピシッと背筋を伸ばして身構えた。自然と表情が険しくなる。
「……別れてほしいんだ」
憲士の言葉に、柚花の眉根が寄る。萌美の陰険な笑みは濃くなるばかりだ。
「どうして」
言われずとも予想はついたが、きちんと彼の口から聞かなければ納得できず、柚花は聞いた。
「君はいい人だ。だけど……なんていうか……君とはすれ違いが多くてさ。彼女は俺に合わせてくれるし。俺は仕事で忙しいから、内側から支えてくれる人が必要なんだ」
彼は外商で忙しいし、柚花も副店長として仕事をおろそかにするわけにはいかない。
だから会う時間は限られて、最近はとくにゆっくり会う時間もとれなかった。
だけど、と柚花は二人を見る。
この様子では、昨日今日の仲ではなさそうだ。
最近忙しかった理由の一番は彼女ではないのか。彼女と会う時間を作るため、柚花との時間を削ったのではないのか。
にたにた笑う萌美に、なんだかだんだん腹が立ってきた。
別れの場に新カノを連れて来る憲士の神経も疑う。
「あ、ああ……」
憲士は曖昧に返事をする。
水をテーブルに置いた店員にコーヒーを注文すると、柚花は憲士に向き直る。
「それで、話って?」
柚花はなにを言われてもいいように、ピシッと背筋を伸ばして身構えた。自然と表情が険しくなる。
「……別れてほしいんだ」
憲士の言葉に、柚花の眉根が寄る。萌美の陰険な笑みは濃くなるばかりだ。
「どうして」
言われずとも予想はついたが、きちんと彼の口から聞かなければ納得できず、柚花は聞いた。
「君はいい人だ。だけど……なんていうか……君とはすれ違いが多くてさ。彼女は俺に合わせてくれるし。俺は仕事で忙しいから、内側から支えてくれる人が必要なんだ」
彼は外商で忙しいし、柚花も副店長として仕事をおろそかにするわけにはいかない。
だから会う時間は限られて、最近はとくにゆっくり会う時間もとれなかった。
だけど、と柚花は二人を見る。
この様子では、昨日今日の仲ではなさそうだ。
最近忙しかった理由の一番は彼女ではないのか。彼女と会う時間を作るため、柚花との時間を削ったのではないのか。
にたにた笑う萌美に、なんだかだんだん腹が立ってきた。
別れの場に新カノを連れて来る憲士の神経も疑う。