警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 仕事でもミスが多くなった。
 ただ歩いているだけでも不安で、なんども振り返って確認してしまう。

 いっそ辞めてしまおうか、だけどどうせ辞めるならその前に思い知らせたい、悪いことしたのだとわかってほしい、そんな気持ちもどこかにあった。
 そうして、警告でストーカーが止むのなら転職もしなくて済むのだ。

「最悪は辞めることも考えてます。でも転職と引っ越しをしたばかりで貯金もなくて」
「辞めるなら、いつ辞めても同じだと思うがな」
 人情を考慮してくれない彼に、彼女はむっとした。

「警察なんかに相談した私がバカだった!」
「警察以外にどこに相談すると?」

「た、探偵事務所とか、警備会社とか? 弁護士とか!」
「警察と違って有料だぞ。それでも確実に解決できるなら最初からそちらに行くだろうが」
 小夜歌はうっと言葉に詰まる。

「そもそも、警察に勝てる治安維持組織は自衛隊くらいだろう」
「自衛隊……」
 自衛隊に伝手なんてないし、ストーカーで動いてくれるわけがない。

「それが市民を守る警察官の言うセリフ!?」
「警察なんか、と言ったのは君だが?」

「そ、そういう市民も守るのが警察の仕事でしょ?」
「そうだな、守ってやるよ」
 彼はくくっと喉を鳴らして笑った。ケンカを売られているようで、小夜歌はじとっと彼を見た。

「まずはご希望通り警告を出してやる。問題はその後だ」
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