警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 彼は懐からケースを出し、中の名刺を取り出した。裏にさらさらとスマホの番号を書き、彼女に差し出す。
「俺はこの所轄の所属じゃない。県警本部の、わかりやすく言うとプロファイラーだ。こちらには殺人事件の応援で来ていたが、さきほど犯人が捕まってしばらくは手があけられる。なにかあれば連絡してこい」

 名刺には捜査支援分析課、捜査支援分析官、深見真玄(ふかみしんげん)と書かれていた。
 プロファイラーなんて本当にいたんだ、と彼女はしげしげと名刺を眺める。てっきり日本にはいないと思っていた。

「名刺がそんなに珍しいか」
 からかうような声音に、小夜歌はまたむっとする。

「警察官から名刺をもらったのが初めてなので」
 そう答えると、彼はふっと笑った。
 その目元が優し気で、彼女はどきっとして目を伏せた。

***

 小夜歌の対応を終えて生活安全課を訪れると、年配の課長が立ち上がって真玄に頭を下げた。
「すみませんね、本部の方に対応させてしまって」
「問題ありません。彼女はストーカーに悩んでいました。該当の男に警告してほしいそうです」

「それはこちらでやっておきます」
「お願いします」
 年配の課長に、彼女から聞いた男の名前、会社名などの書かれたメモを渡す。

 県警本部の人間が頼まれてもいないのに所轄の代わりに話を聞くなど、本来はありえない。
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