警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
「給料が必要なら俺が君を家政婦として雇う」
「警察官ってそんなにお金もらえるの?」

「遺産の不動産収入があるから大丈夫だ」
「公務員て副業禁止じゃなかった?」

「少なくとも警察は完全に禁止ではない。いろいろと条件があるし許可が必要だが。遺産の受け取りを拒否しようかと思ったら薄情だ、親の愛を無碍にするのかと怒られて、仕方なく受け取った。副収入はそのおまけだ。だから君は心配しなくていい」
「だけどそれは私のお金じゃないから」

「君はかなり頑固だな」
「お互い様」
 言われた彼はくくっと笑ってブラックでコーヒーを飲み干す。

「悪いが先にシャワーを使わせてもらう。あとでゆっくり入るといい」
「うん……ありがと」

 彼が席を立つと、小夜歌は一人で残ったダイニングで大きなため息をついた。
 警察署に行くときには、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった。

「早く仕事を決めて引っ越さないと……」
 あまり長くいては迷惑になる。実験などと称してまで自分の気持ちを楽にしようとしてくれる人だ、無愛想だけど、いい人であることにかわりはない。





 翌朝は気がつけば彼はもういなかった。
 小夜歌は自己都合で退職する旨を会社に告げ、渋られながらも受理された。

 引継ぎのために来てくれと言われたが、ストーカーがいる会社には行けないと言い張ってなんとか出社を免れた。
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