警察の極上プロファイラーが実験と称して私を溺愛してくる
 浦岡はすぐに不機嫌になるし、高圧的で仲良くできるタイプではない。早口でもごもごしゃべるので聞き取りにくいが、聞き返すとまた機嫌が悪くなる。挨拶しても無視される。仕事中にスナック菓子を食べて、その指を舐めてからシャツで拭うのがなんとも不快だった。

 が、主任の肩書をもつ以上は上司なので、当たり障りのないように気をつけていた。
 彼は毎日のように小さなミスに難癖をつけてぐだぐだと説教をかましてきた。あるときなどはゴミ箱をチェックして、ゴミが多いだの少ないだの、難癖もいいところである上に気持ち悪い。もはやパワハラだと思いもしたが、もめたくないのでただ頭を下げる。

「申し訳ございません。気をつけます」
 彼女が謝ると彼は満足そうにまたふんぞり返る。
 課長に相談したこともあったが「大丈夫、歴代の事務の中で君が一番うまくあしらえてるから」と流されてしまった。

 歴代というほど事務が辞めているわけで、とんでもない人がいるところに来てしまったと後悔した。これがなければ勤務時間も仕事内容も文句はないのだが。

 上司に聞くべき内容は課長に確認し、浦岡との接触を避けて仕事をした。
 それが崩れたのは、一か月前、営業の男性と話したあとだった。

 仕事の内容に続き、今日は暑かったですね、と軽く雑談をした。
 その後、妙に不機嫌になった浦岡が席を立ち、そのまま帰ってこなかった。
 おかげで仕事がはかどり、浦岡がいないのはこんなに幸せなんだ、と思ってしまった。

 翌日現れた彼はさらに不機嫌になっていて、通勤カバンをどすんと机に置く。
 朝から嫌だな、と思いながらも反応しないようにして、朝礼後は仕事に集中した。

 昼近くなって、イライラした浦岡に声をかけられる。
「おい」
 呼びかけ方が腹立たしいいが、いつものことだ。
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