眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「心配しなくても、こいつがあんたを絶対に守ってくれるよ。俺も微力ではあるけど協力するぜ。あんたはもう家族みたいなもんだからな」

「ありがとうございます、心強いです」

 また狙われるかもしれない。ヴェルデの側にいる限り、ヴェルデにもフェインにも迷惑がかかってしまう。そう思うとローラの気持ちはまた沈みそうになる。だが、フェインの真っすぐな眼差しと言葉に、心がやんわりとほぐれるのがわかった。

 丘の下を見ると、美しい自然と街並みが見渡せる。それを見ながらローラはほうっと息を吐いた。

(私は、ここでこれからもヴェルデ様と一緒に生きていくんだわ。この命が尽きるその日まで)

 百年も眠り続け、目覚めてから自分の居場所などどこにもないのだとローラは絶望した。だが、ヴェルデが居場所を作る、一緒に生きていこうと提案してくれた。戸惑うときも迷う時も、いつだって何度だってヴェルデは一緒に生きていこうと言ってくれたのだ。

 ヴェルデの美しい銀色の髪が風になびいてキラキラと輝いている。ジッと見つめていると、ヴェルデが視線に気づいて微笑んだ。フェインも二人を見て微笑んでいる。

(私の居場所。私の、大切な家族)

 二人を見て、ローラは嬉しそうに微笑んだ。


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