眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「……起きていたのか?」
「ついさっき目が覚めたばかりです」
「体、大丈夫?」

 ヴェルデは目が覚めたばかりだが、無理をさせすぎたということを自覚しているのですぐにローラの体の心配をした。

「まだ気だるいですが、大丈夫です」
「よかった。無理をさせてごめん。愛が溢れてしまって止まれなかった」

 そう言ってヴェルデはローラを抱きしめた。お互いに何も身につけていない状態なのでヴェルデの体温がダイレクトに伝わってくる。その肌の感触と温もりにローラはまた体の奥が疼くのを感じつつも、ヴェルデを優しく抱きしめ返した。

「嬉しかったのでいいんです、気にしないでください」

 そう言ってヴェルデの胸元にすり、と顔を寄せると、ヴェルデは嬉しそうにぎゅっとローラを抱きしめ、困ったようにため息をついた。

「ローラは煽るのがうまいね。今すぐにでもまた抱きたいところだけど、これ以上は無理をさせたくないから我慢する」

< 137 / 190 >

この作品をシェア

pagetop