眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛

40 対峙

「イヴの兄たちに直接会って話をする!?」

 部屋の中にヴェルデの声が響き渡った。イヴがヴェルデの屋敷を訪れてから数日後、ローラはヴェルデとフェインと三人で今後について話をしていた。

「そんなのダメに決まっているだろ」

 ヴェルデは少し怒気を孕んだ声でローラに言う。だが、ローラは怯むことなくヴェルデをじっと見つめた。

「私はいつイヴのお兄様たちが狙ってくるかわからない状況に怯えるより、自分から名乗り出て話し合いたいのです。そうすることで、もしかしたら和解できるかもしれない、彼らを代々続く呪縛から解き放てるかもしれない。その望みに欠けてみたいんです」

 ローラの言葉を聞いて、ヴェルデは渋い顔で首を振った。

「そんなの無理に決まっている。奴らは深く考えもせずにただイライザの言葉を信じローラをずっと狙い続けてきたんだ。そんな奴らが話し合いに応じるわけない。ローラが会いに行けばすぐに殺そうとするだろ」

 ヴェルデがそう言うと、フェインも確かにな、と口を挟む。

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