ロマンスに心酔



通勤ラッシュの時間だから、どんどん電車が来る。

タイミングよく来た電車に乗り込むと、せんぱいが壁際にスペースを空けてくれた。


「ここにいなよ。埋もれる」


「な、失礼です!⋯⋯でも、ありがとうございます」


たしかにチビだけど!満員電車は慣れてるんですからね!と、心の中で噛みつきながら、ありがたく壁際に収まった。


会社の最寄り駅までは3駅なので、すぐだ。

オフィス街ということもあり、たくさんのひとが降りていくのにいそいそと着いていく。


「あれ、前ちゃん?」


「うお、河野」


「青葉さんもいる!どういう組み合わせ!?」


改札を出て会社に向かっていたところで、声をかけられた。


「河野さん、おはようございます」


「おはよう。え、てか、前ちゃん電車!?」


「あー、うん」


「めずらし!初じゃない!?」


「おー」


そういえば、このふたり同期か。

仲良く会話するふたりを見て、思い出した。

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