きっとそれは幸せな夢だった
「た、橘先生、」


他の講師はお昼ご飯に出てるのか、カウンターには先生しかいなくて

私は隅から最小限の声量で声をかけた。


「あれ、咲良ちゃんじゃん。ふっ…、今ここ俺しかいねえから、そんな警戒しなくても。」

「そ、そうですか、」

「んでどーした?一旦休憩?」

「た、橘先生が、メール寄越したんじゃないですか。」


用ないなら自習室戻りますけど、と私が言うと

待って待って、と先生は私を引き止めた。
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