ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「……で、さっきの話ですけど」

 ローズヒップティーをひと口飲んで、ガクくんが切り出した。

「僕と彩女さんが恋人じゃない、と。彩女さんは、ずっとそう思っていたんですね?」
「そ、そうじゃないの?」
「はぁ~もう、これだからガチのポンコツさんは……僕、彩女さんが好きだって伝えていましたよね?」
「うん……」

 確かに、何度も「好き」と言われているけれど。そういう意味で捉えたことは一度もない……というより、捉えないようにしていたのだと思う。

 なんとなく気まずくて、ティーカップを口に運ぶ。爽やかな酸味が広がって、少し気持ちが落ち着いてきた。

「一緒に住んでいて、同じベッドで寝ていて、デートやキスやセックスを何度もして。これで付き合っていないなんて、どうやったらそう思えるんですか」
「でも、付き合おうなんて話は一度もしていないし……」
「あぁ~そっか。そういうことかぁ」

 ガクくんは大きく天を仰いで、ソファの背もたれに体を預けた。

 もしかして最近の若い人は、わざわざ「付き合いましょう」なんて言わないの? そんなことないわよね。好き同士でも付き合えないケースだって、きっとあるだろうし。

 ……だけどやっぱり、私が悪いのよね。彼はきちんと、気持ちを言葉にしていたわけだから。
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