白雪姫は寵愛されている【完】



…本当の事なの?



「そ、そうたくんはどこに行ったのか分かりますか!?」



委員長の後に続き、走り出す。


着いたのは、旧倉庫の方。
もうずっと使われていない倉庫がある場所。

ここに行くと言っていたらしい。


颯太くん…一体何処に!




「白藤さん!!」




倉庫の方から聞こえた声。

急いで駆け寄った。
だけど誰もいない。


もしかして、倉庫の中…?


ゆっくりと入った時に、扉が閉じた。急いで開けようとしたけど、びくともしない。ドンドンと何度も扉を叩いた。



「あの!誰か────…、」



ビシャ、

その音と共に体が冷たくなった。


上を見ると、小窓がある。
そこから垂れるのは水と、


「あんたさー、相当馬鹿だよねー!」


委員長の声。


「凄いでしょ、私の演技!流石演劇部の女王でしょぉ」

「な…なにを言ってるんですか?颯太くんは、どこに…」

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