白雪姫は寵愛されている【完】
──────…っ、
朔也くんは本気で言ってる。
きっと何かするんだと思う。
携帯の光が漏れないよう布団に潜る。
…誰かに知らせないと。
そう思ったが、朔也くん以外の連絡先が無い。
……ッ、いつの間に消したの?
これじゃあ連絡できない…。
”中央病院、302、一人部屋”
美琴さんの言葉を思い出す。
そこに仁くんがいる。
携帯の地図アプリを開く。
ここから病院までの道。約三十分。
タクシーで行けば十五分ぐらい?
明日は日曜日。交通量が多いかもしれないけれど。
五分…三分でいいから、
会いたい…仁くんの所にいたい。
静かに起き、物音を立てず引き出しを開けた。またベッドに潜り光が漏れないようにし、縫い物を始めた。