白雪姫は寵愛されている【完】
「──────綺麗ごとはここまでだ」
涙が引っ込んだ。昴くんに変わって今度は朔也くんが胸倉を掴む。
「おい、ジン俺はお前を認めたわけじゃない。むしろさっさと白雪を俺に寄越せ。それから別れろ」
「…これからもよろしく。オニイサン」
「仁、僕の話も聞いていますか?ああ、馬鹿だから聞き取れませんか?」
「す、すばるさん!待って!流石に2対1はずるいって!」
「おいおい、やるなら外でしろよなぁ~…って、仁!お前が元凶だろうが!すまし顔すんなっ!」
「け…喧嘩はだめですー…!」
言い争いをするのを宥めながら、涙目で私も間に入っていくのだった。