白雪姫は寵愛されている【完】

「おい!マジだ!あの女…いや!あの方は白藤千雪さんだ!」

「総長が恋する乙女になってやがるぞ!これは…」

「そうだ‼ここは俺達が───…」



顔を見合わせ大きく頷く。
全員の心の中は思っている事同じ。



「「「総長と白藤さんを結ばせる!!」」」(不良達、心の声)



バタバタと全員が八神の前へ。


「総長‼俺達に任せてください!」

「俺達が白藤さんと総長を!」

「絶対に!くっつけます!!」


一人一人宣言し始めた途中で、難波はストップをかける。


「馬鹿か?仁がやるから意味あるんだろ。お前等は暖かい目で見とけ」

「「「オッス!!!!」」」

「待て、流石にそこまで大事にしたらバレる…」

「よしお前等!明日から挨拶小さめに行くぞー!白藤さんには小声も小声で挨拶すんぞ!!!」


何やら盛り上がっている不良達。唖然とする八神の肩を笑いながら難波が叩いた。




──────次の日、




昨日同様に八神と千雪がやってくる。千雪は相変わらず怖がっていて、八神の裾を掴んでいる。

しかし昨日と違う様子だった。千雪はキョロキョロと周りを見て不思議そうにしていた。


「…喜んでるな総長」

「ああ…微笑ましい」


ヒソヒソと話しながら、小さな声で八神に挨拶、からの千雪に笑顔でさっきよりも小声挨拶。不良達はまるで親戚のおじさんのような細い目、暖かい目で二人を見ているのだった。



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