白雪姫は寵愛されている【完】


HRが始まる数十分前になり、結局二人で降りる事になってしまった。


「教室まで送る」

「…は、い…ありがとう…ございます…」


車から八神先輩と同時に出た私は…既に全校生徒に”私”という存在が特定されていたようだった。


ヒソヒソ話に耐えながら、教室前に到着。
先輩に深々とお礼を言ってから中に入る。


全員からの注目の的。

それだけじゃ無い…廊下にもいる生徒の視線も痛々しい。


俯き、下唇を噛みしめながら、自分の机へ。


そして────、
不安的中。想像通り。


「……っ、」



机の上。


大きく書かれた【アバズレ】の文字。
他にも沢山書かれた悪口の数々。


………やっぱり、そうなんですね。


机の中の教科書もノートも、すべてビリビリに破かれ散乱。


……教科書、すごく高いのに。
朔也くんになんて言えば…。


新しい雑巾を持ち水飲み場に向かう。
しっかり濡らしてもう一度教室に入る。



その時、



「…ッ!」



どこからともなく投げつけられた汚い雑巾。

咄嗟に顔を隠す事は出来たけど、匂いからして牛乳がしみこんでるんだと思う。…腐った牛乳が。


くすくす聞こえる笑い声を横目に机を拭き始めた。


中々落ちない…もしかして、油性マジック?
だとしたらもう…落ちないじゃ無いですか…。



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