白雪姫は寵愛されている【完】
…これは序の口だったみたい。
そう気が付くには時間は掛からなかった。


ようやく消えかけた文字は、席を外すたびにまた文字が書かれていて。

教室に入るたびに物を投げられた。


変な匂いがする丸められたティッシュだったり、黒板消しだったり、他には開いてあるジュースのパックだったり。



その度にくすくすと笑い声。



泣きたい気持ちと、動揺を無理矢理抑え込む。

ここで泣いたらきっと…もっと酷い事されてしまうかもしれない。


こんな事にならない為に、目立たないようにしていた。だけど…もう取り返しがつかない。


”また”こうなる運命だったのかも知れない。

私は所詮…そんな人間であると。
思い知らされた気分。



───────昼休み。



チャイムが鳴り、バッグを持ってすぐに教室を出た。
ここまでよく頑張った…そう思いながら。


先生はあてにできない。見て見ぬふりをしているから。先生だって、面倒な事に関わりたくない。だってここは”自由”だもの。警察ごとにならなければ、何でもいいんだもの。


早歩きで向かう先は図書館。


あそこなら人が全然いないし、いたとしても広いから。誰かと会うことも少ないのもよく知っている。

行くなら図書館しかない。



「……あっ!」



廊下で盛大に転んだ。
何かに躓いたみたい。


振り返ると数人の女子。


腕を組み足を少し前に出している人が一人。
あとは取り巻きのように彼女の後ろに四人いた。


< 38 / 344 >

この作品をシェア

pagetop