誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
「亜久津!」
「準備は整ってるか?」
バックドアが開き、ストレッチャーが下ろされる。
「あぁ、大丈夫だ!美来っ!病院に着いたからな」
ストレッチャーに横たわる美来は、苦しそうにお腹に手を当てている。
「・・・天真・・・先生」
「もう大丈夫だからな。ありがとう、亜久津」
「美来ちゃん、頑張れよ」
「はい・・・」
亜久津は、駆け寄って来た杉本先生に、美来の状態を説明していた。

美来の手を握って付き添っていると、看護師が走って来た。
「天真先生!救急搬送の連絡です。ご自宅で、急に胸の痛みを訴えた75歳の男性です」
「他のドクターは?」
「今日のオペが予定より延びているのと、先ほど、救急搬送がありまして、処置をしています」
「先生・・・早く行って」
「美来・・・」
「私には・・・杉本先生がいます・・・その人には・・・天真先生しか・・・いません」
「・・・分かった。頑張れよ、美来。杉本先生、お願いします!」
俺は、杉本先生に託して、急いで救急処置室に戻った。

目の前の人を助ける、それは俺の使命だ。
「急性心筋梗塞、カテーテル手術、緊急オペの準備を」
どんな困難な状況でも、全身全霊で病気に立ち向かう。
いつも冷静に立ち向かえるのは、その思いだけ。

だが今は・・・気が動転する。こんな経験は、初めてだった。
集中しないと・・・

神頼み・・・そんなことしても、人の命は救えない。救うのは俺達ドクターだからと、鼓舞していたが・・・
当事者になると、初めて分かったよ。
どうか、美来を、俺達の子供を助けてください・・・
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