誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
部屋のドアを開けて、キッチンに向かうと、無造作な髪の先生が、ソファに座って、何か食べていた。
晩ご飯、食べて無かったのかなぁ・・・
さぁ、私は、プリンを食べよっと!
ワクワク気分で、冷蔵庫を開けると・・・

・・・プリンが・・・無い!
もう一度先生を見ると、わっ、私のプリン!

「先生!それ、私のプリン!今度は、私の場所に置いてたでしょ?」
「俺の所に置いてたぞ?」
「うそ!だって、さっき確認して・・・はっ!」
私、先生に呼ばれて、慌てて置いたんだ。だから、間違って・・・

「先生、返して下さい!さっき、先生が急に呼んだから」
「いいか?君は、下着もプリンも俺の場所に置いた。誓約書を守ってないのは君だ」
「で、でも、分かるじゃないですか!」
「誓約書は守る、君は約束を守るって了承しただろ?」
淡々と話す先生に、『君』呼ばわれしていることも、何だか腹が立ってきた。

「天真先生?いい加減、君って呼ぶの、止めてもらえませんか?」
先生は食べ終わって、黙って立ち上がり、私の横を通り過ぎる時、
「あぁ、いいよ。美来」
低く甘い声で名前を呼ばれて、思わずドキッとした。

「よ、呼び捨てなんて・・・」
「妹だろ?それとも、美来ちゃんがいいのか?」
美来ちゃん・・・兄になる人に、そう呼ばれることを想像してたけど、天真先生に呼ばれると、子供扱いされてるようで、何か嫌だ・・・

「美来で・・・お願いします」
先生は、表情を変えずに、片付けて私の横で立ち止まった。
そして、私の耳元で、
「プリンごちそうさま、美来」
と囁くと、自分の部屋に入って行った。

ドクンッ・・・
な、何だろう・・・今の感覚・・・
私、今日は変だ・・・
先生に腹が立つことばかりなのに、裸を見たり、美来って呼ばれて・・・
男の人って意識しちゃった。

はぁ・・・お父さんも男兄弟もいない、彼氏も未だいない私が、突然の同居で、見た目は、俳優やモデルに負けず劣らずのイケメンで、敏腕ドクターと同居なんだから・・・

免疫無さ過ぎて、悲しいよ・・・
唯一の救いは、先生の冷たい態度。
きっと優しい人なら、誓約書の最後は、絶対に守れない。
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