誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
いよいよ、雄基君の手術が午後から始まる。
「雄基君、頑張ろうな」
「天真先生・・・僕、やっぱり怖い・・・」
「手術にはね、雄基君の生きようとする力が必要だ。俺と雄基君の力で乗り越えるぞ」
「そうだね・・・藤里さんと天真先生に、ピアノを聞かせる約束してるしね」
「彼女の笑顔を見たいだろ?」
「うん。先生、宜しくお願いします」
俺の手を握る雄基君は、生きようとする強さで、力がこもっていた。

手術の準備が整い、オペ室に向かおうとした廊下に、美来が立っていた。
「天真先生っ!」
「美来・・・どうした?」
「雄基君のこと、必ず助けてください」
「前にも言ったろ?どんな手術も、何が起るかわからないんだ。必ず成功するとか100%大丈夫とは言えない」
「分かってる。でも、先生なら、絶対に治せるよね?雄基君も信じてるのに」
「もう時間だ。どいてくれ」
「俺を信じろって言ったのに!雄基君に嘘つかないで!」
本当なら、任せろとか信じろと、言って安心させたいところだが・・・

美来も医療に携わる身だ。理解しなければならない。
俺は美来に背中を向けて、
「最善を尽くす。それだけだ。今日は遅くなる」
そのまま振り向くことなく、歩いて行き、オペ室の方へ向かっていった。
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