誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
水を入れて、タオルを冷やし、先生の傍に寄った。
「天真先生、お水飲みましょう」
お水を飲み干した先生は、しばらく項垂れていたけど、少しずつ意識がはっきりしてきたみたいで、
「俺・・・寝てたのか・・・」
目つきがいつもの先生に戻っていた。
「はい、熱があるみたいですけど」
「あぁ、寒気はしていたが、大丈夫だろうと思って・・・油断したな」
「大丈夫ですか?」
「薬飲んで寝室で休むよ。ありがとう」
先生は立ち上がって、少し足元がフラついた。

「危ない!キャッ!」
私は咄嗟に先生を支えようとして、逆に先生をソファに押し倒してしまった。
「先生!ごめんなさい!大丈夫ですか?」
離れようとして、体を起こそうとした時、
「楽しかったか?白波との食事」
熱で潤む瞳で見つめられ、体が固まった。
「楽し・・・かったですけど・・・」
「告白・・・されたか?」
「・・・はい」
「返事・・・いや、何でもない」

先生は一呼吸おいて、黙って起き上がり、私の体を離した。
「あいつはいい奴だ。良かったな・・・早く寝ろよ」
その一言を最後に、先生は自分の部屋へ向かい、ドアを閉めた。

『良かったな』か・・・
その言葉が、私の胸を貫いた。

苦しいよ、先生・・・
こんなに好きなのに・・・
好きって言っちゃいけないなんて・・・
ドアの向こうに、大好きな先生がいる。
ドアを開けて、先生の胸に飛び込みたい。

でも、許されない・・・
先生には白波さんという、決まった人がいる。
将来、白波先生と共に、白波会グループを支えるドクターとして活躍する天真先生。
その隣にいる妻として、白波さんは相応しい人だ。

そして何よりも・・・私達は兄妹なんだから・・・
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