誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
【誓約違反は、溺愛の始まり】
家を飛び出し、駅に向かって、街路樹の光に照らされながら歩く。
夜はまだ肌寒く、涙の跡に冷たい風が当たり、一層寒さが身に沁みた。
楽しく寄り添うカップルとすれ違うと、寂しさが込み上げる。

病院で先生と会ったら・・・
きっと、顔が引きつっちゃうけど、笑顔を見せないと・・・

桜が風で散ると、余計に寂しくなってきた。
足取りが重く、歩いていると、電話が鳴った。
画面に表示されたのは・・・
白波先生・・・

「もしもし」
「藤里さん、急にごめんね」
「いえ、大丈夫です」
「外なの?丁度いいよ。会って話をしようよ。今どこ?」

白波先生は、会った時からずっと私を応援してくれた。
きっと、付き合っても大切にしてくれる事は、想像出来る。
でも、私は・・・

今から会って話をしても、嘘の笑顔で、白波先生の話を聞いて、きっと天真先生のことばかり考える。
そして、想像してしまう。
隣を歩くのが、天真先生だったらって。

天真先生なら、こう言うだろうなぁ。
天真先生だったら、こんな顔するのかなぁ。
きっと、ドジなことしたら、呆れた顔して、そして、優しく笑ってくれるだろうなぁって・・・

今、電話で白波先生と話をしていても、頭に浮かぶのは天真先生。
やっぱり・・・白波先生とは付き合えない。
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