お邪魔虫にハッピーエンド




 久しぶりの日本での学校生活は、中学時代とは比べ物にならないほど周りの対応が違っていた。

 編入生だし、うまくクラスに馴染めるかなと内心ビクビクもしていたけれど。

 アメリカで身につけた表向きの社交性を駆使し、クラスの中心的な立ち位置にある女子グループに入れてもらえた。

 たまに独特のノリについていけないと感じることもあったけど、せっかく声をかけてくれたんだ。

 仲良くなれるような多少キャラを作って頑張った。


『杏は景くんの幼なじみなんでしょ? 美男美女でお似合いだよね』
『ほんとほんと! 付き合っちゃえばいいのに』
『……あはは、そうかな?』

 発言力の強い女子たちからの後押しもあった。
 もう、あの頃みたいに「釣り合わない」存在じゃなくなったんだと、改めてほっとした。


 生まれ変わった私の姿で告白したい。

 その思いに嘘はなかったけれど、すぐに行動に移せない問題が発生してしまったのである。


 景と同じクラスメイトの白田こころさん。

 見かけるときはいつも教室の隅の席で本を読んでいる女の子。

 垢抜けていたりオシャレな子が多い印象の中央高校では、少し珍しいぐらいに大人しめな格好と雰囲気の白田さん。


 白田さんは、景の好きな人だった。
 すぐにわかった。
 聞きたくなかった。なのに、聞いてしまった。

『景の好きな人って、同じクラスの白田さん?』
『……ほんと、杏に隠し事はできないな』

 さすが幼なじみと、景は笑った。

 ううん、違うよ。ぜんぜん違う。
 私が景の幼なじみだからじゃない。

 私も景が好きだから、わかったんだよ。


 気づきたくなかった事実はもうひとつ。

 変なところで二人は似ていた。
 もう、どうしてこんなことばかりすぐに気づいちゃったんだろう。

 それは一方通行の想いなんかじゃない。
 白田さんも、景が好きだということに、私は気づいてしまった。

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