お邪魔虫にハッピーエンド
学年一のモテ男にして女好き。
そのモデルのようなスタイルと綺麗な顔立ちで、景とは違った人気を誇る蓮見くんは、なぜか白田さんの味方をするような発言をした。
『蓮見くん、だよね。あなたには関係ないと思うんだけど』
『君にとっては関係がなくても、俺にはあるんだ。つまらない意地悪で二人の間を掻き乱してないで、さっさと諦めたら?』
蓮見くんは景と白田さんのどちらとも面識があるらしく、私が牽制をしようとするたびに突っかかってきた。
蓮見くんからははっきりと私に対する敵意があって、だから私も彼が苦手だった。
あまり関わり合いたくなくて避けていたけれど、たぶん蓮見くんは、白田さんが好きだったんだと思う。
本人の口から直接聞いたわけじゃなかった。
だけど、白田さんに向ける蓮見くんの眼差しは、とても優しいもので。
普段の蓮見くんの雰囲気からかなりかけ離れたものだった。
でも、結局……私の牽制なんてあってもなくても、結末は変わらなかったんだ。
景は白田さんが好き。
白田さんは景が好き。
二人の間に私が割って入って掻き乱しても、その事実は覆せない。
むしろ、白田さんに決意づけるきっかけを作ってしまって。
バレンタインデー当日、景と白田さんは晴れて恋人同士になった。
邪魔をしていた自覚がある私には、同情される資格もない。
「――やっと振られたんだ、桜葉に。きみの一生懸命な邪魔も虚しく。残念だったね」
だけど、鉢合わせた蓮見くんからの嫌味を素直に受け入れるほど、私の景への想いはしつこいくらいに薄れていなかった。
そもそも私は、景に告白できなかった。
そう、告白すらできないで失恋した。
たとえば白田さんが少女漫画の主人公ならば、それはまぎれもないハッピーエンドで。
散々邪魔をした挙句に敗れた私は、失恋確定のライバルポジションなのかな。
あーあ、こんなときでも少女漫画脳の自分が嫌になる。