推しにおされて、すすむ恋
「同じグループなら一番近くで守ってあげられる。そうでしょ?」
「! うん、そうだね」
同じクラスで、同じグループ。
ゆのの一番近くにいるのは、確かに俺だ。
「どんなことからも守って見せるよ。
ゆのには、いつも笑顔でいてほしいから」
一気に強気になった俺を見て、「よし!」と気合を入れた後。ステラは拳を作った手を、空へ突き上げる。
「恋する少年、ファイト―!」
「だから、からかわないでよ……」
俺を面白がるその横顔は、やっぱり少しだけゆのに似ていて――
さっき別れたばかりなのに、もう会いたい衝動に駆られながら。俺もステラと笑い合った。
*ノア/玲*end