推しにおされて、すすむ恋
*ノア/玲*
*ノア/玲*
荷物を整理し、部屋を出る。すると、同じタイミングでヤタカが出て来た。
「真面目なヤタカの事だから、一番に整理し終わってキッチンに行ってるかと思った」
「いや、別に俺は真面目じゃねーよ」
つっけんどんな言い方に「はいはい」と相槌を打つ。するとヤタカは、ステラの部屋へ目を配った。
「ちょっと話してただけだ。ステラ、最近、本調子じゃねーだろ。何かあったのか?って聞いてたんだ」
「ほら、真面目じゃん」
「真面目ってよりも、俺がステラに何かしたか?って気になってな」
「……何か心当たりあるの?」
すると「ない」と、ヤタカはキッパリ言い切った。清々しい回答に、思わずヤタカを見る。その頭には、妙な柄のバンダナが巻かれてあった。
「それ、なに?」
「料理って言ったらバンダナだろ。ちゃんとメンカラに合わせた、お前らの分もあるからな」
「どうせ拒否権はないんでしょ」
当たり前、と言わんばかりのヤタカの勝ち誇った顔。バンダナは、もう仕方ないとして。
さっきステラの部屋で、どういう話になったのか気になる。ゆの、上手くかわせたかな?