再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「無理にとは言わないが、今までの仕事ぶりを見てきて、美優なら任せられると思うんだ。それに、父さんも母さんも美優にお願いしたいと言っているし、美優もいきなり専業主婦なんて嫌だろ?元々、女性だって一人で生きていく力を持つべきだって言うのが美優の信念だったはずだからな」
「それは・・・」

確かに、誰かに頼る生活をしたくないと思って仕事を続けてきた。
しかし、長嶋家の奥様が仕事を持つなんて簡単な話ではない気がする。

「今までだって家のことは父さん一人で切り盛りしてきたんだし、そのことが美優の負担になるようなことは絶対にさせない」

きっぱりはっきりと宣言する亮平からは決意めいたものさえ感じられた。
その言葉で、私の心は決まった。

「わかったわ、精一杯頑張ります」

私は自分から亮平に手を回し、ギュッと抱きしめた。

お付き合いの多い長嶋家に嫁ぐことも、今まで生活のすべてだった仕事を辞めることも、言葉も通じない異国の地で暮らすことも、正直言えば不安しかないが、今はただ亮平と共にいたいと思う。
こうして、亮平と私の結婚とアメリカ行き、アメリカで始まる私の仕事も決まった。
しばらくはお母様も日本とアメリカを行き来する予定らしいし、今回のことをきかっけにお父様とお母様も二人で会う機会が増えているらしい。
全てがこのままうまくいきますようにと願いながら、私は再び亮平に体を預けた。


Fin
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