ふたりが双子である理由
運 命 的

*涼花*


上も下もない、右も左もない、優も劣もない。

あるのは先に生まれたか後に生まれたかだけ。


だけど、その先と後が、恭花と俺を明確に区別する障壁だった。


頭のできは同じ。運動の、苦手種目も同じ。芸術のセンスも似たようなもの。

なのに、先を行くのは、先に生まれた恭花のほう。


名前を呼ばれるのも、褒められるのも、叱られるのも、順番がくるのも、いつも恭花が先だった。


そんな先頭を走る恭花の背中をいつも追いかけているのが絢音で、ふたりの背中をいつも見ているのが俺。


ふたごの片割れのうしろをついていくだけのひっつき虫。

夢に向かってひた走る兄に無謀な劣等感を抱くクズ。


たまに、どうしようもなく壊したくなるときがある。


恭花の背中を追いかける綾音にちょっかいをかけて、むりやりこっちを向かせる独善的なあそびに何度もおのれの愚かさを突きつけられた。


恭花がいなければ……。
双子じゃなければ……。

< 192 / 216 >

この作品をシェア

pagetop