チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

「さあっ!みんな早く
タイムトンネルに飛び込むんだ!」


おそらく時間的には一秒が二秒位の余裕しか無かったに違いない。


それでも、シチロー達はタイムトンネルに潜り込む刹那、天守閣の窓際に立つ光圀に向かって笑顔で手を振った。


「御隠居~~っ♪
いろいろありがとう~♪それじゃあ元気でね~~♪」


そして4人がタイムトンネルに飛び込むとすぐに、その白い光の球体は、シャボン玉がはじけるように消えてなくなってしまった。


この時、城の外には数人の城に仕える侍が居たが、皆、夢でも見ていたかのように呆然とタイムトンネルのあった場所を眺めていた。


そして、天守閣の窓からその一部始終を見ていた光圀も……




「きっ、消えてしまった!
……まったくあの連中は…最初から最後まで驚かせてくれるわい…
しかし、何とも愉快な者達じゃったな♪」


そう言って、呆れたように笑った。




こうしてチャリパイの破天荒な江戸珍道中は、幕を閉じたのだった。



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