桜の華 ― *艶やかに舞う* ―
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だけど、裸婦モデルなんてどこへ行けば募集しているのだろう。

所謂アイドル路線上のモデルだとか、女優さんでモデルになるだとか……
モデル事務所があるけど、芸能関連とは違うように思える。

芸術系になると思う。
閃いたものの、これじゃあ辿り着けないと思った。
あ~あ、落胆するしかない。



なんかっ、もう少しで望むべき不確かなモノが手に触れそうなのに……
この手に掴めそうなのに……見えているだけでとても手に届かないという
もどかしさを抱えて私はしばらく悶々と過ごした。


そんなある日のこと、母が娘に会いに来たのをいいことに、気晴らしに
最寄りの駅前ではなく少し足を延ばして学園都市駅前まで行くことにした。


電車に揺られ、久しぶりの車窓から見える景色を楽しんでいると
横に座っている男子学生の話し声が聞こえてきた。

耳があまり良くないのか? 
大きな声で話をしていた。


「あの女性(ひと)よかったのになぁ~。
家の事情で今月いっぱいで辞めるなんてな」

「植木先生がまたNice Bodyの女性(ひと)を探して
くるんじゃないのか。あんま心配しなくても大丈夫だって」


「探すんじゃなくて、募集かけるんだよっ」

「あぁ、そうなんだ。そりゃそうだよな、どこへ探しに行くっつうんだって、
はははっ」



「そうだよ、裸になるモデルでその上きれいな女性(ひと)って……
探しに行く場所どこだよって話」


「でもあれだよ、佳代子さんきれいだったからなぁ~、同じくらいのモデルは
無理じゃね?」



「ま、そこはあのおっさん、植木先生の手腕にかかってるよな。
来週あたりには大学の掲示板で募集かけるんじゃないかな」


「大学の掲示板なんてモデルになってくれるような女性(ひと)
見にくるのか?」



「歴代のモデルでそうじゃなかった人もいるみたいだけど案外バイトを探しに来る人
多いらしくて……佳代子さんも掲示板見た口みたいだしな」



「へぇ~、どんな人が来るのか楽しみだなぁ~。目の保養だからな」


「ほんとっ、植木はいい奴だよ。童貞学生の救いの主だよ」


「お前、恥ずかしいことをデカい声で言うなって」


「すまん、すまん……なははっ」



なんという、シンクロニシティ。

私の求めていた答えが、座する電車の席の横にあったとは。トレビアーン(トレビアン)

私は買い物などどこかへうっちゃって、彼らに付いていくことにした

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