桜の華 ― *艶やかに舞う* ―
18

彼らが通う芸大は高台にあり、山間の広大な敷地に建てられている。
はて❔ 掲示板はいずこに……。


彼らの後をつけると言っても学生ではない自分が近距離で付いて行くのは
流石に難しいものがあり、校内に入ってからは単独行動することにした。


私が学生の頃は食堂の中にアルバイト募集の掲示板があったのを
記憶している。……ということでとりま、食堂を目指すことに。


生憎食堂がどこなのか分からなかったのと掲示板は一か所だけではなかったこと、
それとアルバイトの募集は学生向けばかりでメールなどを使い登録しないと
いけないらしいことなど私の求める募集は見当たらず、ひとまず撤収する
ことにした。

電話で直に教授に聞いてみるのが一番手っ取り早そうに思えた。

家に帰り早速大学へ電話をかけた。


          ◇ ◇ ◇ ◇


「絵画の授業を受け持っている先生にお聞きしたいことがあるのですが、
ご紹介いただけないでしょうか?」

「少々お待ちください」


思ったよりもあっさりと教授を紹介された。
その男性(ひと)は植木芳夫と言った。

モデル志願者だと言うと、少し驚いた様子が伺えた。
けれど、どうしてモデルを必要としていることを知ったのか、ということは
訊かれなかった。


すぐに本題に入り、氏名年齢、住所電話番号メールアドレス、それとモデル歴などと併せ
他の事務所への登録の有無、身長とサイズ、絵や彫刻の裸婦モデルの可否、
勤務可能な時間帯などを明記し、着衣の写真と顔の写真を添付して送付するよう 
指示された。


書類審査に通ったら当日水着か、なければ短パンとTシャツ姿に
なってもらいますと言われる。

もちろん、その審査の時は女性スタッフも同席させますので、
とのことだった。
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