桜の華 ― *艶やかに舞う* ―
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その夜、寝室で、早速俊ちゃんに朗報を報告した。


「よかったな、桃。後はゆっくりマイペースで治していけばいいさ」

「俊ちゃん、負担掛けてごめんね。いつもありがとう」

 俊ちゃんが私の頬をやさくし撫でながら囁いた。


「俺だっていつ病気になるか分かんないからさ、その時は桃に世話になると
思うからおあいこだよ」

「うん……俊ちゃん、私……俊ちゃんから大切にしてもらって幸せ」

 俊のキスがそっと私の唇に落とされた。
そして夜も更ける頃、こうして私たちはそのあと手を繋いで眠りに落ちた。


翌朝、早くに目覚めた俊が、隣のまだ眠りを貪り続けている桃の寝顔を
切なげに眺める姿には、そこはかとなく哀愁が漂っていた。

『はぁ~』今のこの幸せが明日にも終わってしまうのか、はたまた、ずーっと
60才になっても70才になっても続いているのか……神のみぞ知る、って
いうことなのだが……。

自分たちの関係が日々深まるにつけ、今の幸せに反して一層苦しくなるのだ。

あまりの苦しさに、桃に自分の罪を白状し、許しを請いたくなる。
その上で、許された上で、幸せになりたいと思うようになるのだった。


          ◇ ◇ ◇ ◇

初回の診察時の時に『最初にかかった医院でもらっている痛み止めは
まだ残ってますか?』と訊いてくれた医師は、二度目三度目の診察時にも
必ず丁寧に聴き取りをしてくれた。

「痛みはまだありますか?」と三度目に訊かれた日に「ありません」と
私が答えると「じゃあ、念のためレントゲンを撮りましょう」と言い、
レントゲンを撮った。

「良かったですね。治癒されてるのではないでしょうか。
もしまた痛みが出た折には来院してください」


「先生、お世話になりありがとうございます」


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