熱の城

「やったね、芽依《めい》、チャンスじゃん!」

「えっ?」


 どこが?

 ランチタイム、同期の森山みるくと休憩室でお弁当中。今の話がまわりに聞かれていないか、わたしは慌てて近くを確認する。


「だって、あの、タイガーだよ?」

「みるく! 声大きいよ……、落として?」

「っと、……ゴメン」


 タダでさえ、やっかまれそうな状況だ、厄介事は増やしたくない。

 それに……。


「チャンスも何も、わたし彼がいるし……」


 きっと大量の仕事でそれ所じゃない、あの営業力を補佐するなんて、考えただけでドキドキだ。


「バカだねぇ、芽依は……」


 ヘ?



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