熱の城

 わたしは、目の前で静かに笑うタイガーをチラッ、と盗み見た。


「あのっ、鈴木主任は今、付き合っている人とか、いらっしゃるんですか?」

「えっ?」


 あまりにもイキナリな、わたしの質問に、タイガーは、きょとんとした顔で、目を見開いた。

 あっ……、会話の糸口だったとは言え、いくらなんでも唐突過ぎたかしら?


「えっと! あの、……こんなに忙しいのに、彼女がいたら、やっぱりあまり会えなくて寂しいだろうなぁって思ったので……」

「……」


 はっ!

 営業部の人とは言え、か、仮にも主任にこんなこと聴くだなんて……。せめてもう少しお酒がまわって、イイ感じの時にすればよかった。


「あのっ、すみません! 言いにくかったらいいです……」


 やっぱりまだ、わたしタイガーに緊張してるのかしら?


「いないよ?」



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