熱の城
「はい」
よかった。鈴木さんにこれ以上、手間をかけてしまう所だった。
タッチパネル押して住所を入れると、最短距離のルートが画面に表示される。
「あっ……」
思ったより表示されたルートが短い、家の近くまで車が進んでいたんだ? まだ全然知っている道を見つけられないけれど。
「もうすぐだったんですね」
「みたいだな」
静かに笑うタイガーが、やけに大人に見えて鼓動が速くなった。
「迷わなくて、良かったです」
あと少し……。
真っ直ぐ行って、三つ目の角を曲がってしまったら、わたしの住むアパートに着いてしまう。
「……」
そして、この夢みたいな時間は終わり。また明日から、忙しい日常へ逆戻りだ。